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Talking about Hachinohe vol.4 塚原隆市氏

公益社団法人八戸青年会議所創立60周年記念対談

Talking about Hachinohe vol.4

八戸の夏の風物詩といえば館鼻岸壁で開催される八戸花火大会を思い出される方も少なくないだろう。その昔、湊地区の祭りとして始まった八戸花火大会は、現在に至るまで幾多の困難を乗り越えて開催を続けて来た。また今年4月に発足し、八戸圏域の魅力を国内外へ発信し、地域ブランドの確立を図るVISITはちのへ。八戸圏域の観光、経済の柱として関係各所より大きな期待を寄せられている。今回はVISITはちのへ理事長、八戸花火大会大会委員会会長として活躍されている塚原隆市氏との対談を通して、八戸の魅力を探る。

 

塚原隆市(以下、塚原):八戸の花火大会は八戸FMラジオ放送局BeFMの開業当時から関わりはじめました。花火大会の雰囲気を会場から離れた場所や車の中で感じることができれば面白いのではと思い、FMラジオを活用しようと思ったのが出合いの最初でした。

 

金入健雄理事長(以下、金入):花火大会は一時期、開催が危ぶまれた時があったと聞いています。

 

塚原:当時は湊地区の祭りとしてその地区の方々が運営の多くを担っていました。花火を打ち上げるには多くの運営資金が必要になり、大部分をご協賛に頼る必要がある。また、運営についても地区の方々のご高齢化も重なり、実際に継続が難しくなったのです。その時に、どうにかして花火大会を継続できないかと相談があったのがきっかけで、現在は花火大会の大会委員長として深く携わるようになりました。

金入:湊の祭りから八戸全体の祭りとして花火大会が変わったと感じています。

 

塚原:湊祭りから始まった花火大会ですが、今後も八戸の祭りとして、また過ぎ行く夏の風物詩として八戸市民の皆さんに楽しんで頂ける空間を今後も作っていけるようにしたいと思っています。

 

金入:そして八戸市内の子供たち自身も協賛募金活動を行っておりますね。

 

塚原:実際に募金箱を受け取りに学校に伺い、子供たちの様々な話しを聞かせていただいています。将来の夢が描かれた募金箱を目にし、一生懸命に募金活動を頑張った子供たちの声を聴くととても胸が熱くなります。花火大会の開催が危ぶまれた時、白鴎小学校の子供たちが声を上げ継続することができました。今は八戸市内の子供たちが頑張ってくれ、大人を動かしていく原動力に繋がっています。今後も子供たちの想いをしっかりと受け取り、継続し続けて行きたいと思います。

 

金入:素晴らしいですね。八戸青年会議所も昨年より共催として運営協力をさせていただいています。今年は6年ぶりに「はちのへHaNaビール」を企画しました。のぼり旗が目印の市内飲食店にて「HaNaビール」をご注文いただくと、くじ付きのコップでお飲み物が提供されます。アタリが出るとその場で観覧席ペアチケットがプレゼントされます。花火大会当日にはご愛飲頂いた一部代金でHaNaビール花火をあげよう、という企画となっております。どうぞHaNaビールで乾杯ください。

 

ユートリー3F VISITはちのへにて

 

「沢山の個性から生まれるラジオ局としてのBeFM」

 

金入:BeFMのスタッフの皆さんは多彩ですよね。例えば落語家の大地球さん、写真家としてえんぶりの写真集を出版されている二ツ森護真さん、スポーツ実況の分野でも活躍されている小泉亮さん等々、個性豊かな方々がいらっしゃいます。皆さんが会社と別に各分野でも活躍されるている事が、番組や組織としての社会との接点を増やし、面白さに繋がっているのではと感じます。新しいアイディアや、何かに一生懸命突き進んでいる人たちを、常にサポートされてきた塚原理事長はじめ先輩方のフォロワーとしての懐の広さをもった姿勢が、これまでも、このまちの様々な新しさや普遍的な価値を生み出す源泉になってきたのだと感じます。

 

塚原:BeFMについて、個性を作らないと他の放送局には勝てないと考えています。コミュニティーFMという限られた中でいかに自分の個性を突き進んで、そこに近づいてくる人はジャンルが違うので競合しないのです。ジャンルが違う人が沢山いるほうが放送局として色々なことが出来ます。

 

金入:個人の生き方の多様化が進むこれからの時代、国籍やジェンダーしかりお互いがお互いを愛をもって受け入れ認め合う事で面白いまちができていくということを我々もビジョンとして発信させて頂いています。お話しをお聞きして会社組織やプロジェクトも様々な接点を持つような人が集まる組織文化を作っていく事が大切であると理解できました。

 

 

「VISITはちのへから視える八戸圏域の魅力とは」

 

金入:VISITはちのへがスタートして間もないのですが実際に動き出してみていかがでしょうか。

 

塚原:八戸観光コンベンション協会など関係5団体が一緒になって間もないため、手探りという部分も多いです。しかし同じ方向性を持つ者同士ですので、何をすべきか優先順位を付け、仕分けを行い、職員が少ない中でも最大の効果が出せるように努力をしています。基本スタンスとして観光や物産という地域資源を最大限に活用し、効果的で効率的な集客を図る地域づくりを推進する団体という事を念頭に、しっかりとマーケティングとマネジメントを行い、戦略を立てています。

 

金入:VISITはちのへというのは、八戸圏域の観光に関するマーケティングとマネジメントを行う組織です。そして「まるで、ワンダーランド。」というキャッチコピーが入っています。VISITはちのへとして、具体的に八戸圏域のどの部分に魅力があると考えていらっしゃいますか。

 

塚原:ある観光客が、八戸の圏域で一番行きたい所は新郷村だと言いました。私はそれを聞いたときに、新郷村をどうやって知ったのですか、と尋ねました。そうしたら、国道沿いにキリストの墓と書いた看板が当たり前に出ていて興味を持たれたそうです。国が認めて看板に出している。それは外国の方から見たら写真だけでもすごいことだそうです。観光客からするととても興味あるコンテンツになっている。我々からすると普段の光景だが、いかに普段存在しているコンテンツの魅力に気付けるのかが大切だと感じています。またVISITはちのへに来てから外部のいろいろな方と出会うことが出来ました。盛岡で電動式自転車のシェア事業をやっている方によると、八戸の方が面白いと言うのです。なんとか八戸で仕事をしたい、一緒に取り組みませんかと相談をされました。その方は八戸圏域について調べ、可能性があると確信しました。例えば、三戸駅に電動式自転車を置ければ、そこから色々な場所に行けます。私が考えていなかったことを、周りの方が調べてくれて提案してくれました。また、ユートリーで2週間に1回開催している直売のイベントがあるのですが、1回目のウニの企画ではあっという間に売れました。次は湊の村福さんと八仙のお酒使ったお菓子です。それを新聞各社に取り上げていただきました。そうすると、こんなことをやってみたいという方から申し込みを頂けるようになりました。八戸圏域の魅力と新しいアイディアというパズルのピースが上手く埋まっていくと、今まで思いつかなかったまったく新しい発想が生まれてきます。その発想を発信していくことで、新たにVISITはちのへの事業に同じ志をもった参加者が増えてくる。魅力を発掘し、新しいアイディアと共に、マーケティングと戦略を持って八戸圏域の観光客増加に努めて行きたいと思います。

 

金入:VISITはちのへとしての担いがそこにあるわけですね。

 

塚原:BeFMは20年前に、まちづくりの手段として始めました。時が経って、新たなまち作りの手段としてVISITはちのへをやろうと。その中で若い人が新たな手法で何かやるというのをやる場を作るというのが私たちの仕事というか。そこでいろいろ出てきたものを、まずはやってみないとわかりません。VISITはちのへは5つの団体が一緒になっています。目標がまちづくりという目標であれば、今までやってきた観光であったり物産だったり行政マンであったり、自分が住んでいる地域をどうにかしようと思っているので、その部分を、方向は間違っていないのでいかにコーディネートするかっていう話なので。だから私は大変と感じておらず、とても楽しんでいます。毎日、VISITはちのへの事務局へ来ているのですが、初めて聞く単語が多いのです。知らない単語が出てきて、それ何?と聞きながら自分も覚えていきます。

 

金入:塚原理事長が個人として感じる八戸の魅力はありますか。

 

塚原:八戸には自然や歴史がたくさんあることを、この仕事をして思い知らされました。孫を連れて根城史跡の広場などで遊ばせることがありますが、歴史や由来を知っているか知らないかでは見て感じるポイントが全く異なってくる。もっと多くの方に知って頂きたいと思いますし、八戸の公共交通機関を活用し車を使用しなくても十分に楽しめるまちとして発信できるようにして行きたいと思います。

  • 八戸青年会議所とは

八戸市近郊に在住する20歳から40歳までの青年経済人の集まりで「奉仕」「修練」「友情」を活動の基本として「明るい豊かな社会の実現」を目指し、八戸のまちに住み暮らす人々や子どもたちの笑顔のために活動を続けている団体。今年で創立60周年を迎え、現在で約130名の現役会員を擁する。

 

  • 塚原隆市(つかはらたかし)

青森県八戸市出身。南部電機株式会社代表取締役社長。第35代公益社団法人八戸青年会議所理事長。学生時代は弓道とツーリングを楽しみ、進学を機に東京のイベント制作会社へ就職。その後八戸へ戻るが、両親の他界を機に1983年南部電機㈱代表取締役就任。会社理念は「変化こそ常道」。一般財団法人VISITはちのへ理事長、八戸花火大会大会会長、㈱ビーエフエム代表取締役専務としてもご活躍され、日々まちづくりに取り組まれている。

 

  • 金入健雄(かねいりたけお)

青森県八戸出身。第63代公益社団法人八戸青年会議所理事長。今年度は公益社団法人八戸青年会議所理事長として「新しさの港から未来へ~市民の誇りとなる八戸スタンダードの発信~」をスローガンにまちづくり運動を展開中。