八戸青年会議所は1958年の発足以来、明るい豊かな社会の実現を目指し運動を展開してきました。1975年に誕生した「ラブはちのへ」運動は「まちはそこに住む人の意識以上にはよくならない」という考え方と「知即愛」の精神のもと市民意識高揚運動として連綿と受け継がれています。このまちの先人たちは困難に直面する度に互いに助け合い、多様な価値観を受け入れ、変化に臆することなくまちの未来を見据え、行動し続けてきました。現在、コロナ禍においても、このまちの人々が立ち上がり行動を起こしているのは、自分たちの手でまちの未来を築こうという進取の精神が宿っているからです。新型コロナウイルスの世界的大流行によって時代が大きく変わりつつある今だからこそ、変化に臆することなく、創意工夫を積み重ねる圧倒的な行動量と情熱でこのまちの未来を切り拓いていく必要があります。進取の精神が宿るこのまちにおいて、まちを思うパートナーと結びつき、多くの人とともにまちへの愛を胸に未来を語り合い、誰もが互いを尊重し合うことで作り上げられる、変化に柔軟に対応できる多様性溢れるまちを目指し、私たちは未来に向けて掲げる6つの挑戦に積極果敢に取り組みます。
◆誇れる組織をつくるための挑戦
八戸青年会議所の運動は、規律と矜持に裏打ちされた堅固な組織運営によって連綿と受け継がれてきた。今を担う私たちは、これまでの運動を支えてきた運営に対する自負と責任をもち、規律ある運営によって運動をさらに推進して いくことが重要である。そして、相手に心を配った行動によって矜持を保ち、盤石な基盤をつくることで、組織の力が最大限発揮され、まちに運動が広がり、誰もが誇れる組織になる。
◆「ラブはちのへ」運動最大の発信への挑戦
私たちの運動を発信し共感を生み出すことは、直接的に市民意識高揚運動につながる。そして、共感を生み出すためには、人の琴線に触れるストーリー性のある発信をすることが重要である。また、多くの人とともに郷土への愛を深めるために「ラブはちのへ」運動を最大限発信する場を創出し、人と人とがつながり、人と地域が結びつくことで生み出される一体感をもってまちの誇りを発信していく。私たちは、あらゆるパートナーとの連携により、多くの人を巻き込みながら人の心を動かし「ラブはちのへ」運動の精神をまち中に広めていく。
◆運動の輪を広げる会員拡大への挑戦
明るい豊かな社会を実現するのは私たち青年会議所の使命であり、その礎となる会員拡大は、運動を推進する上で必要不可欠である。そして、青年会議所の魅力を知り、相手に伝えることは「ラブはちのへ」運動そのものである。私たちは、このまちに住み暮らす人たちと積極的に関わり、組織の魅力とまちに対する熱い思いを伝え、運動の輪を広げていく必要がある。そして、多様な価値観を尊重し合いながら相互に切磋琢磨することで組織を活性化し、まちにより良い変化をもたらす人財を生み出し続ける。
◆郷土と深く結びついた青少年育成への挑戦
子どもの頃の経験は、大人になる過程で自己形成に強く影響していくからこそ、次代を担う子どもたちは、このまちと自分とが結びついていることを実感する必要がある。そして、郷土での体験により尊いまちの個性を知ることで、その中で生きていることを認識しながら、このまちと自分とがどのように関わっているのかに気付くことができる。この結びつきが子どもたちの心の支えとなり、積極果敢な挑戦を後押する。私たちは、このまちの宝である子どもたちとともに郷土での感動を生み出し、郷土への愛を持ち続ける大人へと導く。
◆8市町村の人と人とのつながりを深めることへの挑戦
大都市への一極集中から、地方分散型社会への関心が高まり、さらにモノ消費からコト消費へと価値が移行している今、これまで培った8市町村のつながりをさらに深めることで、広域連携による地域の魅力はさらに増す。私たちは8市町村のまちを思う青年たちとともに、互いのまちの個性を知り、新たな価値を見出すことで、地域一帯としての誇りを生み出す。そして、生み出された誇りを8市町村に住む人々と共有することで、地域への愛は醸成され、広域での連携はさらに強固なものになる。
◆感性豊かで個性輝く共生社会への挑戦
このまちは、外から新しいものを受け入れながら発展してきた。近年、国際化が進み、このまちにおいても外国人住民は増加傾向にあり、共にまちをつくる仲間として受け入れることで、まちづくりにおいても欠かすことのできないパートナーになる可能性を秘めている。私たちは、異なる文化や価値観を知り、今後の共生社会に必要な要素を多様な視点で取り入れるために、外国人住民との共生社会の実現について調査研究しながら、未来へとつなげる必要がある。この地域に住み暮らす外国人住民とともに、次代に向けた共生社会を築くための当事者意識を醸成し、感性豊かで個性輝くまちの未来の礎を築く。
結びに
私たちには、まちを牽引するリーダーとして未来を見据え挑戦し続ける使命があります。そして、未来を見据える上で四つの視点をもって行動することが重要です。
「物事の本質を捉える」虫の目
「物事を俯瞰し、客観的に捉える」鳥の目
「時代の流れを読み、進むべき方向を見極める」魚の目
「逆の立場で物事を捉える」蝙蝠の目
この四つの視点をもってまちづくりに取り組んでまいりましょう。
人は成功体験を積むことで大きく成長できます。そして、そのプロセスの中で生まれた失敗に対して多くの人に助けられながら改善を重ねることで、人に与えることの尊さに気付きます。成功や失敗は行動を起こさなければ得ることができません。まずは、損得ではなく自分の心に従って主体的に行動し、謙虚な気持ちで多くのことを学び、次の行動に活かすことが重要です。その繰り返しが人を強くし、大きな成果へとつながります。成功が約束された未来などないからこそ、私たちは失敗を恐れず、まちづくりに、自分自身に積極果敢に挑戦し、今よりも誇れる故郷、今よりも輝く自分を築いていきましょう。