八戸青年会議所は1958年に発足し、明るい豊かな社会の実現に向けて運動を展開してきました。1975年、高度経済成長に突入した際、新産業都市としてこのまちが様々な課題を抱える中「自分達のまち」という意識を掘り起こし、市民とともに創るまちづくりを目指しました。既に未来を見据えていた先達の革新的な運動は、市民意識高揚運動として「まちはそこに住む人の意識以上にはよくならない。」という考え方と「知ることは即ち愛することである。」という知即愛の精神に基づく理念となり、今なお煌々と輝く「ラブはちのへ」運動は継承されています。
世界的に新型コロナウイルスの影響は収束に向かう一方、依然として地方では人口減少と高齢化による地方経済の縮小がさらなる悪循環を招いています。このまちの中心街に目を向けると、徐々に衰退化が進む中、今までまちを賑わせたデパートや店は立ち消え、活気のあった中心街はベッドタウンに変貌しようとしています。また、AIやICT技術の発展から情報共有の効率化が進み、多様化する考え方は多くの選択肢として認められ、個々の価値観は大きく変動しています。全てが個で完結する時代は目前まで迫り、必要以上の関係性を求めない人間関係の希薄化に繋がっています。
時代の急激な変化に伴いこのまちの有様も大きく変動し、人々の価値観が大きく変わっていくからこそ、変わることなく継承されてきた運動の根幹である「ラブはちのへ」の精神をもってこのまちと向き合い、変わりゆく時代の中でも変わらない躍動する市民性を育んでいきましょう。
先達から受け継いできた「自分達のまち」を市民とともに創ろうとする願いを矜持とし、誰もが心の底から「このまちが大好きだ」と他の誰かに伝えたくなるようなまちづくりを目指します。市民一人ひとりが「ラブはちのへ」の精神をもって郷土愛を醸成し、このまちが大好きだと他の誰かに伝える共感の連鎖をこのまちに生み出し、人と人とのつながり、人と地域の結びつきから愛であふれるまちに歩みを進めます。
おもてなし精神を探求する姿が組織への共感を生み全ての運動の原動力となる
八戸青年会議所の組織運営は、常におもてなし精神を探求し続けてきました。一人ひとりへの心配りは笑顔と感謝を、厳格な設えは組織に厚い信頼を、有機的連携は盤石な基盤をもたらします。模範となる責任ある行動は、万全な組織体制の構築につながり、会員の帰属意識となり誇りへと昇華します。会員一人ひとりの誇りは組織への共感を生み、組織が展開する全ての運動への原動力となります。
同志との絆が組織へ共感を生み、団結力をもって運動への推進力となる
会員の拡大は「ラブはちのへ」運動そのものです。創立から今に至るまで、このまちに対する想いと組織の魅力を伝え、人と人とのつながりから、このまちの未来を共に創る仲間を増やしてきました。そして、まちを牽引するリーダーには多様な価値観を受け入れ、周囲を巻き込み自ら行動する資質が必要です。会員拡大と資質向上の両輪は会員に躍動をもたらし、組織に更なる活力が生まれます。切磋琢磨できる志高い同志との共感から組織の団結を生み、運動への推進力をもたらします。
一人ひとりのストーリーからこのまちへの共感を生み、郷土愛を醸成する
300年以上続く八戸三社大祭は激動の時代を超え、このまちの人々からの根強い愛を受けて今なお煌々と輝いています。その中で、多くの市民が集い、人と地域の結びつきから創出されるおまつり広場は「ラブはちのへ」運動最大の発信の場であり、市民と私たちがつながることで躍動を生むかけがえのない空間です。人と人とのつながりで創る一体感は活気と感動を生みだし、笑顔あふれる郷土愛というストーリーが綴られていきます。このまちへの共感から心に刻まれた数々のストーリーは市民の記憶に残り続け、郷土愛の醸成から人と地域の絆を育みます。
このまちと周辺市町村における魅力の可能性が共感を生み、誇りとなる
このまちは「海から拓けたまち」であり、誰からも愛され何物にも代えられない海からの恩恵が、尊いまちの個性として広く認知されています。創立以来まちの魅力を見つめ続けてきた私たちは、たくさんの愛を育むまちの個性を通して見出してきた新たな価値の面白さや楽しさから、共感が生まれる場を創出する必要があります。また、私たちは近年の運動で、周辺市町村の郷土愛による連携をより強固にし、新たな価値を見出してきました。協働による絆は八戸圏域連携中枢都市圏として持続可能な地域を目指したまちづくりの共感につながります。このまちを創造してきた尊い魅力の発信と、周辺市町村のまちを想う人々との連携は、この地域の郷土愛を醸成し誇りとなり輝き続けます。
子どもと地域の結びつきからこのまちへの共感を生み、郷土愛を育む
このまちの次代を担う子どもたちは、このまちの希望であり、かけがえのない宝です。情報社会の進展から様々な考え方が生まれ、多種多様な生き方が存在する現代を生きる子どもたちは、どんな困難に直面しても自分を信じ挑戦し続ける力を育むことが必要です。私たちとのまちづくり経験は子どもと地域を結び、心の支えとして未来への挑戦を後押しします。子どもと地域の結びつきがかけがえのないこのまちへの共感となり、いつまでも色褪せることのない郷土愛として醸成され続けます。子どもたちの未来は、このまちの未来そのものです。
未来への共感を生み、希望となる道標を示す
創立65周年を迎える本年、これまで行ってきた調査を基に、八戸青年会議所における今までの取り組みを思料する節目にあります。無限大の可能性を持つこのまちの希望を模索し、未知の可能性を切り拓くため未来ビジョンを策定します。このまちはどう推移しているのか、そしてどこに向っていくのか。不惑の精神でこれからも運動に邁進するべく、継承してきた想いで明るい未来への共感を生み、確かな希望となる道標を示す必要があります。
どんなに時代が移ろいでいこうとも、市民一人ひとりが郷土を愛する気持ちを育み、ともにまちを創っていく「ラブはちのへ」運動は未来へと継承され続けなくてはなりません。だからこそ、市民との共感が絶対に必要不可欠であります。共感なくしては愛することは叶いません。
共感こそ、人間関係を深化させコミュニケーションや問題解決において重要であり、二つの側面が存在します。他者の感情に感じ入る「感情的共感」と他者の視点や思考を理解しようとする「認知的共感」です。この両方を常に意識することが市民とともに創るまちづくりにおいて最も欠かせない要素であります。
自らの意識を高揚させ、組織全体に共感させていこう。
そして、市民の心に確かに触れてまちを共感の連鎖に巻き込もう。
どんな理想を掲げようとも、そこに共感がなければ何の意味も果たさない。
そこに人がいて共感が存在するからこそ「このまちが大好きだ」と他の誰かに伝えるまちづくりを成すことができるのです。
八戸青年会議所創立65周年の節目を共感の連鎖から、より多くの、より大きな愛で「ラブはちのへ」運動過去最大の昂りをもって、市民の心に、このまちの未来につなげよう。
その先には、自分達のまちであると強く実感した市民が私たちとともに創る、愛あふれる感動的なまちが待っています。
今、私たちがやらずに、誰がやる。
私たちは、それが必ずできます。
《重点テーマ》
このまちを共感の連鎖に巻き込む運動の展開
《重点事業》
・団結を生み、運動への推進力をもたらす会員拡大と資質向上
・郷土愛というストーリーを綴る第44回おまつり広場の開催
・このまちの尊い個性に新たな価値を見出す創立65周年記念事業の開催
・広域連携における新たな価値を見出す事業の開催
・子どもたちと地域の郷土愛を育む青少年育成事業の開催
・第44回八戸花火大会の共催